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会話

「俺に弁当を作ってきてよ」と言って愛される人と嫌われる人の違い

「君、料理できないでしょ?」

惹きつける男が言った。
疑っている目で。でも、ニヤニヤ笑っている。

「えっなんで?」

女は、口を尖らせる。

「だって不器用そう」

男はどんどん勝手な解釈を進めていく。

「できるわよ。料理ぐらい」

女はそう言って男の腕のあたりを軽く突く。

「ならさ、今度俺に弁当でも作ってきてよ」

男は笑う。
女は一瞬キョトンとした。

「いいわよ!」

そう言うと、にっこり微笑んだ。

この2人のやりとりを廊下の隅でこっそり見ていたもう1人の男がいた。
彼は「なるほどな」と呟いて2回頷いた。

別の日、廊下で見ていた男は女に話しかけた。

「ちょ、ちょっといいですか?」

男は「焦るなよ!」と自分に言い聞かせた。

「き、君さ。もしかして、料理つくれないんじゃない?」

女はキリッと睨みつけてこう言った。

「どうしてですか・・・?」

「だって、下手そう!」
「そうですか・・・」

男の焦りが、みるみる表情に出る。

「えっ、本当はできるんでしょ?」
「そんなに得意じゃないかも・・・」

女は死んだ魚のような冷たい視線を男に送った。

「だったら、今度僕にお弁当を作ってきてもらえるかな?」
「なんで、そうなるんですか?」

男の顔は強張っている。
女は一歩二歩後ずさりした。

「できるはずだよ!だって!だってこの前あの男に弁当渡してたじゃん!」
「ごめんなさい」

女は近くを通る友達を見つけるとその子に手を振ってその場を去っていった。

男はうなだれた。

「おかしいな・・・」

男は理解できなかった。
そして、心の中でこう思った。

「あの男と同じことを言ったのに」
「俺に弁当を作ってきてよって・・・」

あなたが女性なら、このエピソードと同じような経験をしたことがあるかもしれません。

最初の男は、惹きつける人。
廊下の男は、惹きつけれない人。

惹きつけれない人の特徴は、言葉だけに着目します。
何か魔法のような言葉やフレーズを探し求めます。

惹きつける人は、言葉よりも表情や態度に着目します。
それ以上に、自分と相手の内面を大切にします。

たとえば、最初の惹きつける男の心理に入っていきましょう。

彼は彼女を喜ばせたいだけだった。

「君、料理できないでしょ?」とからかっていても、そこには愛があった。
本当は弁当を作ってもらわなくても良いと思いながら言った。

彼にとっては、彼女と楽しい時間を共有したいだけでだった。

廊下の男の心理はどうでしょう。

彼は彼女に「好かれたい」という一心で接していた。
「き、君さ。もしかして、料理つくれないんじゃない?」というフレーズに魔法があると信じていた。
「弁当を作ってきてもらえるかどうか」で、自分に対する彼女の愛を確かめようとした。
だから、本当に弁当が欲しかった。

廊下の彼にとっては、結局自分のための時間だった。

どうでしょうか。

魔法の言葉なんてないんですね。

何を言うかより、どう言うかが大事です。
どう言うかより、なぜ言うかが大事です。

「俺に弁当を作ってきてよ」という言葉が大事なんでなく、その言葉をどのような表情や態度で言うかです。

それよりももっと大切なのは内側の部分。

彼女をクスッと笑わせたかったからか。
ただ自分を好きになってもらうためだけだったからか。
自分のためなのか、相手のためなのか。

「俺に弁当を作ってきてよ」と言っても、言う人によって意味が変わるのです。

不思議と相手にはわかってしまうのです。
「なぜこの人はこんなことを言うんだろう?」と。

だから、お互いの信頼関係や好意があれば、ある程度は何を言っても許されます。
それがなければ、いくらかっこいいことを言っても気持ち悪がられます。

愛される人と嫌われる人の違いは、そんな目に見えない部分にあります。

彼を彼女をお客さんを廊下で待つ瞬間、自分に問いましょう。

「私は『なぜ』それを言おうとしている?」

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